成人式や結婚式など、記念の日に和装を選ばれる方も多いかと思います。せっかく和装を選んだ以上、ヘアスタイルも装いに合わせたものに決めたいところです。そこで、今回は和装にあったヘアスタイルの基本を確認しながら、ショートやボブ、ロングヘアなど、髪の長さに合わせたアレンジなどもまとめてみました。
基本はアップスタイル
和装に合わせるヘアスタイルの基本といえば、やはりアップスタイルということになります。耳やうなじを見せるヘアスタイルを中心に、和装時に気を付けたいヘアセットやアクセサリーについても覚えておきましょう。
アップのルーツは江戸時代？
和装の時にアップにするヘアスタイル、古い言い方をすれば髪を結うようになったのは江戸時代以降といわれています。確かにそれ以前の女性の肖像画などを見ると、総じて髪をおろしていることが多いようです。わかりやすい例でいえば「百人一首」に登場する女性の多くは髪をおろしています。
江戸時代に入り、髪を結うようになった理由はハッキリとはしていませんが、一説には「着物を汚さないため」といわれています。
衣紋の抜き方にも見える和装の変化
着物を着付けする時に「衣紋を抜く」という表現を聞いたことがあるかもしれません。これは襟を後ろにずらして着付けることを意味しており、和装でうなじがキレイに見える着方という意味になります。
ただしこれはうなじをキレイに見せることだけが目的ではなく、上記で触れた「着物を汚さない」という目的も持っています。ヘアスタイルをセットするには整髪料を使用するのが一般的です。さらに整髪料を使わずとも、髪の毛にはある程度油分が存在しています。髪の毛をおろしたうえに、この衣紋を詰めて着物を着つけてしまうと、着物の襟の部分に髪の毛から油などの汚れが付着する可能性が高くなります。
現代において、着物を着付けする時に衣紋を抜く大きな理由は、こうした油分などから着物を守るためです。結果、和装に合う髪形として、アップスタイルが中心となったわけです。
アクセサリーは何でもあり？
和装をする際に気になるのは、アクセサリーの取捨選択です。髪を飾るアクセサリーからピアスやネックレス、リングに腕時計まで、どの程度着用するのがベストかを考えてみましょう。
大きな髪飾りは主役の証？
和装の時はヘアスタイルを決めて、さらに大きなヘアアクセサリーで飾り付けるというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、基本的にこうした大きな髪飾り、派手な髪飾りを着用するのは、「自分が主役の時に限る」と考えた方がよいでしょう。
例えば成人式や卒業式など、自分が主役の時は思いきり華やかにしてもいいですが、結婚式に参列する時や、お子さんの入学式、七五三など、主役が自分以外の場合、あまり派手な装飾はしないのが基本です。
その他のアクセサリーは？
髪以外のアクセサリーに関しては、着用しないのが基本です。着用するとしても結婚指輪など、日常からファッション以外の意味でも使用しているものだけとし、他のアクセサリーは控えた方が和装には合うとされています。
腕時計やネックレスはもちろん、イヤリングもできれば外しましょう。ピアスは外す必要はありませんが、できれば小ぶりなものであまり目立たないデザインのものがおすすめです。
髪の長さによるヘアスタイルの基本
和装にはアップスタイルが基本と書きましたが、もちろん他の髪形が禁止というわけではありません。ここでは髪の毛の長さによる、基本的なアレンジスタイルをご紹介します。
ロングヘアは上げるかおろすか
ロングヘアの方は、アップスタイルにすること自体がなかなか大変な作業になります。特にご自身でセットすることを考えると、すべてきれいにアップするのは難しいかもしれません。
和装とはいえ髪をおろすスタイルも当然存在します。ただ単に髪をおろすのではなく、一部を編み込みなどを使用してまとめ、残りの部分はおろしてみたり、三つ編みなどを編み込んでおろすなど、清潔感を感じるようなスタイルがおすすめです。
ミディアムはきれいにまとめる
ミディアムヘアの方は基本的にアップスタイルでいいでしょう。この際襟足がきれいに見えるように、きっちりまとめるのがポイントとなります。いわゆるシニヨンヘアと呼ばれるスタイルも和装には合っており、アップにするといっても様々なパターンがありますので、スタイルブックなどで自分に合ったスタイルを見つけましょう。
ボブやショートでもアレンジは可能
ショートヘアの方はアップというよりきっちりまとめるヘアスタイルが中心となります。髪の毛の長さが短いだけに、アレンジのパターンはどうしても少なくなり、それがさみしく感じる方もいるかもしれません。どうしてもさみしいイメージが気になる方は、和装の時にウィッグを使用し、ヘアアレンジを楽しむ方法もあります。
まとめ
和装に合うヘアスタイルは、やはりアップスタイルが基本となります。ただし単にアップにするといっても様々なパターンがありますので、ここですべてを紹介するのは難しいところです。ヘアスタイルの本やサイトを確認したり、ヘアセットをお願いする美容室で、担当の美容師さんと相談して決めるのがいいでしょう。
私たち「ラピス銀座」でも、お客様のご要望に合わせたヘアスタイルはもちろん、ご相談にも親身に対応させていただいております。おすすめは着付けとヘアスタイルをセットでお任せいただくメニューです。
単に和装に合うヘアスタイルというだけではなく、お持ちの着物のデザインに合わせたヘアスタイルのご提案をさせていただいておりますので、ぜひご活用いただければと思います。
